Less is more -少ない方が豊かである-
たくさん物が溢れているこんな部屋を見ても、豊かに見えるだろうか?
いかにも金が無さそうな、整理整頓ができない人の部屋って感じ。
昔は「多い方が豊か」と言う考え方があった。
- 高級車
- 持ち家
- 高級ブランド品
物を持っていることはステータスであり、お金持ちアピールをすることで豊かさを見せつける。
自分の身分が高い人間であることを証明するような考え方が主流だった。
今では"Less is more"(少ない方が豊かである)という言葉が広まり、「ミニマリスト」という言葉も流行っている。
今の時代は、そういった「物」によるステータスというのはあまり意味が為さなくなってきています。
資産運用会社「バンガードグループ」の創業者であるジョン・C・ボーグルは質素な生活をすることで有名だった。
世界的な投資会社のトップであるボーグルがつけていた腕時計は、日本円にして2000円程度のものだったそうです。(僕の何倍も稼いでいるのに、僕の時計より安い)
物というのは資産価値になりにくいものが多く、売ったところで買った値段の半分以下になることがほとんど。
ブランドバッグや高級車でも、買った値段より高くなることはほとんどない。
"中古"と言う時点で大抵のものは値段が下がってしまうことになる。
もちろん希少価値が高い時計なんかは値段が上がっていくこともあるが、傷や汚れが無い前提の話だ。
物は管理コストがかかる。
時計や車、バッグなんかも定期的にメンテナンスをしないと劣化してしまい、価値が下がることになる。
ではどういった状態が豊かなのか。
ミニマリストの界隈で有名な言葉があります。
「Less is more(少ない方が豊かである)」
物や選択肢があふれた今の時代、多すぎるというのはかえって身動きが取りにくくなります。
物が多すぎて広くするため、家賃が高い家に引っ越さなければいけなくなったり、選択肢を増やしすぎて人生に迷ったり。
「多い = 豊か」という時代ではなくなり、無数にある選択肢から、いかに自分に合った物や生き方を絞り込んで減らしていくか。
この引き算をできる生き方こそが真の豊かさである。
というのが「Less is more(少ない方が豊かである)」の考え方です。
ミニマリストになる必要はありませんが、少ない方が豊かであるという考え方を知ることで、支出を減らして節約することがやりやすくなります。
所有コストは税金やランニングコストだけではない
所有コストは税金がかかる持ち家や、ランニングコストがかかる車に限った話ではありません。
物には基本的にどんなものでも所有コストがかかります。
たとえば、家に客用の布団があったとします。
布団には税金もかからないし、ランニングコストもかかりません。
一見所有コストなんか無いように思えますが、実は所有コストがかかっています。
まず、家に家賃を払っています。
家は広くなればなるほど、家賃が上がる傾向にあります。
客用の布団は普段使わないものですが、使わないものを保管するために家賃を払っていることになります。
客用布団がなければ、その分広く家を使うことができます。
客用布団を無くして、少し狭い家に引っ越したっていいわけです。
物を減らして、狭い部屋に引っ越すことができれば、家賃を下げることもできます。
つまり、家にたくさん物があるというのは、物のために家賃を払っていることであり、
物のために働いているということにもなります。
所有コストは、税金やランニングコストに目を向けた物が多いですが、物が多いと家賃が増えてしまうということも考えるべきです。
手狭になった。
捨てるのがもったいない。
といった理由で、広い家に引っ越す人がいますが、使わない物を保管するために広い家に引っ越す方がコストがかかります。
お金を出して買った物だとしても、使わないのであれば思い切って捨ててしまうか、メルカリで売ってしまった方が結果的によかったりします。
半年に1回泊まりに来るとしても、今では布団レンタルのサービスを使えば安く布団を借りることもできます。
仮に家賃を8万円→7万円に減らすことができたとします。
年間12万円支出を減らすことができ、布団レンタルで年4万円かかったとしても、トータルで8万円もプラスにすることができます。
使用頻度が少ないのであれば、レンタルをうまく利用することで、長期的にコストを減らすことができます。
コストを減らすことができれば、残ったお金を資産運用に回したり、自分の好きなことにお金を使ったりすることができ、より豊かになっていきます。
物の減らすためのたった一つの質問
例えば、服がたくさんあって捨てようか迷っている時。
「もしもこれを持っていなかったら、今からお金を出して買うだろうか?」
この質問をして返事がNoであれば、それは手放すべきものということ。
これは「エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする」という本で、物を捨てる時に考えるべきこととして紹介されています。
人には「サンクコストバイアス」というものがあり、支払ってしまったお金や時間を無駄にしたくない、という意識が働きます。
サンクコストバイアスとは「ここでやめたら今までの投資が無駄になる」という想いから損切りができなくなる心理的傾向のことです。
これは物にも当てはまります。
せっかくお金を出して買ったものを無駄にしなくない
物にはこうしたサンクコストバイアスがかかってしまい、捨てられなくなってしまいます。
それを打破するには
「もしもこれを持っていなかったら、今からお金を出して買うだろうか?」
この質問をし、Noであれば捨てたり売ったりすると決めることで、物を手放すことが上手くなります。
ただし、大切な人からのプレゼントや子どもが描いた絵など、お金で買えない物に関してはこれに当てはめることができないので注意が必要です。
物は所有から共有の時代へ
- カーシェアサービス
- レンタルサイクル
- 傘レンタル
- モバイルバッテリーレンタル
今ではいろいろなレンタルサービスが普及しています。
傘レンタルのサービスを使えば、予想しない雨や家に傘を忘れたとしても、雨をしのぐことができます。
駅で自転車を借りたり、充電が心配でモバイルバッテリーを借りたり。
レンタルサービスを使えば、便利なことが多い上、所有コストを減らすことができます。
急な雨で傘を買わなくても済むし、家電量販店でモバイルバッテリーを買わなくて済みます。
レンタルサービスは急なトラブルに対応できるので、雨のたびに傘を買って、家に傘が増えていくという現象をおさえることができます。
買わないことで支出を減らすことができる上、所有コストを抑えることができます。
【まとめ】物を減らして支出を減らす
物を減らすことは、もったいないように見えますが、実は所有していることの方がもったいないこと多いものです。
所有コストを考え、自分には今これが必要か。
「もしもこれを持っていなかったら、今からお金を出して買うだろうか?」
この質問をぶつけてみて、Noかどうか。
これらを考えて物を選び、レンタルで事足りるものはレンタルをする。
所有コストを減らしつつ、支出を減らし、自分の資産を守っていく。
節約にはいろいろな方法がありますが、この所有コストの考え方は支出を減らしていく上で重要な考え方ですので、これらを踏まえて節約をしていくといいでしょう。